「世界が愛した犬」の物語
蓄音機の前で首をかしげる犬。
このビクター・マークの原画は、1889年にイギリスの画家フランシス・バラウドによって画かれました。
描かれているのは元々お兄さんのマーク・H・バラウドが飼っていた「ニッパー」という名の犬。
非常に賢いフォックス・テリアでしたが、兄のマークが世を去ったため、弟のフランシスが兄の息子とともにニッパーをひきとり育てることになりました。
ある日、家の蓄音器から、かつて主人マークが吹き込んだ声が聴こえると、ニッパーはラッパの前で耳を傾けて、なつかしい主人の声に聞き入ったのです。
フランシスはそのニッパーの姿に心を打たれ、早速筆をとって一枚の絵を描き上げました。
当初はシリンダー式の蓄音機が描かれていましたが、後に円盤式のもにに画き変えられ、「His Master’s Voice」とタイトルがつけられたのです。
亡き主人の声を懐かしそうに聞いているニッパーの可憐な姿は、円盤式蓄音器の発明者ベルリナーを深く感動させ、彼はこの名画をそのまま商標として1900年に登録しました。
以来、この由緒あるマークは最高の技術と品質、信頼の証とされ、多くの人々から愛されるようになったのです。
そんなニッパーと家族の心あたたまるお話が絵本になりました。
家族みんなで楽しめる親しみやすくかわいらしいイラストとやさしい文体。
大好きな人へのプレゼントにも最適です。
【絵本】NIPPER -His Master’s Voice-(ニッパー ヒズマスターズヴォイス)
VJC-60005
\1,760 (税込)
作:石浦克
フルカラー 32ページ / A4 /上製糸綴じ
https://www.nipper-story.com/
[ストーリー]
舞台はイギリスのとある町。
ニッパーはご主人さまと奥さま、2人の子どもたちと仲良く暮らしていました。
家族の何よりの楽しみは、蓄音器から流れる素敵な音楽をみんなで聴くこと。
幸せな毎日をすごしていた家族でしたが、ある日のこと、ご主人さまが重い病気になってしまいます。
これがきっかけで家族は離ればなれになってしまい・・。