プレイリスト連動 ご当地歌謡の世界~北海道篇
プレイリスト

プレイリスト連動 ご当地歌謡の世界~北海道篇

旅に出たくなるプレイリスト“ご当地歌謡の世界”第二弾は“東北篇”。

日本らしい情緒に溢れる東北は、人々の琴線に触れる秀逸なご当地歌謡の宝庫でもあります。25曲を厳選!

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みちのくひとり旅

山本譲二

作詞:市場馨 作曲:三島大輔

1980年8月発売シングル(キャニオン)。山本譲二最大にヒット曲であり、異例のロング・ヒットを記録。発売翌年の1981年に22週オリコンベスト10入り。第23回日本レコード大賞ロング・セラー賞受賞。松島(宮城県)、白河(福島県)が歌詞に登場。男と女の深い情念の描かれた傑作歌謡であり、永遠の人気曲。

はつかり号は北国へ

チェリッシュ

作詞:荒木とよひさ 作曲:穂口雄右

1976年10月発売シングル(ビクター)。チェリッシュ19枚目のシングル。“はつかり”は、かつて国鉄が上野-青森間で運行していた特急列車。岩手、青森への足として愛された。歌詞では、愛する人を失った悲しみの捨て場所を探す旅に出る気持ちが歌われる。北国の寒さと、心の寒さがシンクロしながら不思議な透明感を醸し出す。

帰ってこいよ

松村和子

作詞:平山忠夫 作曲:一代のぼる 編曲:斉藤恒夫

1980年4月発売シングル(ビクター)。松村和子のデビュー曲。松村は同年、第22回日本レコード大賞新人賞を受賞。松村自身は北海道の出身だが、太棹(津軽三味線)を弾きながら歌うという当時の歌謡曲としては異例のスタイルでデビュー。歌詞には“お岩木山”や“白いリンゴ花”“津軽の風”といった言葉が登場し、津軽地方の風景を思い起こさせる。

津軽海峡・冬景色

石川さゆり

作詞:阿久悠 作曲:三木たかし

1977年1月発売シングル(コロムビア)。石川さゆり15枚目のシングルとして発売された。この曲の大ヒットにより石川は同年の日本レコード大賞歌唱賞を受賞。阿久悠の詞は第10回日本作詩大賞・大衆賞を受賞。雪の青森に降り立ち、青函連絡船で北海道に向かう…阿久悠による真冬の津軽海峡・青函連絡船上の寒々しい情景描写は見事。一方、三木たかしは作曲のみならず、編曲も手掛け、うなるような海峡の風をも表現。昭和を代表する演歌に仕上がっている。

つんつん津軽

林あさ美

作詞:荒木とよひさ 作曲:三木たかし 編曲:若草 恵

1996年3月発売シングル(ビクター)。青森県は六ヶ所村出身、林あさ美のデビュー曲。林は、その愛らしい姿で“演ドル”(演歌アイドル)と呼ばれた。この“つんつん津軽”のアレンジには津軽三味線のほか、“ねぶた”のハネトの掛け声“ラッセーラー”も効果的に使われ、ポップな曲調とあいまって津軽らしさを演出、気分を盛り上げてくれる。

白神山地

長山洋子

作詞:鈴木紀代 作曲:西つよし 編曲:伊戸のりお

2024年6月発売シングル(ビクター)。今では津軽三味線を弾きながら歌う姿がすっかりおなじみになった長山洋子。2024年発売のシングルでは1993年に日本で初めてユネスコ世界遺産に登録された“白神山地”を取り上げている。歌詞には“ブナの林”“青池”“山背”“天狗峠”といった当地の名物・名勝がしっかり歌われ、ご当地ソングの手本ともいえる出来ばえ。

盛岡ブルース

青江三奈

作詞・作曲:つのかけ芳克 編曲:竹村次郎

1979年9月発売、青江三奈49枚目のシングル(ビクター)。青江三奈の代名詞、ブルース歌謡の中には“ご当地ブルース”も数多い。この“盛岡ブルース”の歌詞には中津川に架かり商店街と官庁街を結ぶ“中の橋”も登場。歴史的な建造物も数多く残る、盛岡の街でのロマンチックな夜が描かれる。

遠野物語

あんべ光俊、臼澤みさき

作詞・作曲:あんべ光俊

この曲のオリジナルは、あんべ光俊自身のバンド“飛行船”が1976年8月に発表(東芝EMI)。この度取り上げたヴァージョンは“あんべ光俊”が“臼澤みさき”(2012年レコード大賞新人賞受賞)を迎えて2014年5月に発売された再録ヴァージョン。岩手県釜石市出身の“あんべ光俊”は釜石市のほか遠野市、花巻市の民間大使も務める。“遠野物語”は押しも押されぬ彼の代表作。柳田國男の遠野物語や宮沢賢治が探求したイーハトーブを下敷きに美し景色の中での恋物語が描かれる。

味噌汁の詩

千昌夫

作詞・作曲:中山大三郎 編曲:若草 恵

千昌夫の歌唱は1978年12月に「めざしのコンチェルト」のB面として発売の後、AB面を入れ替えて1980年11月に再発売(ミノルフォン)。オリジナルは1977年に“珍道中”が歌唱。他の歌手にも歌唱されているがセリフの部分にそれぞれ独自のアレンジが加えられている。千昌夫ヴァージョンでは“東北の生まれ”“家を建てるなら岩手県、それも陸前高田”などと語られている。

岩手の和尚さん

三橋美智也

作詞:矢野 亮 作曲:吉田矢健治

オリジナルヴァージョンは1958年11月発売(キング)。北海道生まれの三橋美智也だが、東北各県をはじめ他県のご当地ものも数多く歌唱。「岩手の和尚さん」の歌詞は“大寒 小寒”で始まり、寒がりの和尚さんとお寺の小僧の様子がコミカルに描かれており、調子のよいメロディーともあいまって「証城寺の狸囃子」を彷彿とさせる三橋らしい親しみやすい楽曲となっている。

おばこマドロス

野村雪子

作詞:吉川静夫 作曲:吉田 正

1955年11月発売(ビクター)。野村雪子は青森県弘前市生まれ。いうまでもなく“おばこ”とは東北で“少女”を意味する言葉。元気の良い“おばこ”のマドロスを歌ったこの曲は、戦後、奇跡的な復興をとげる日本で多くの人々に愛された。なお野村雪子は翌1956年には「おばこ船頭さん」を歌い、こちらもヒットしている。

秋田ポンポン節

香西かおり

作詞:たきのえいじ 作曲:浜 圭介

2007年8月シングル発売(ユニバーサルミュージック)。ポンポンというエンジン音を発する漁船を操る、漁師の勇ましい姿を歌っている。“じっぱりとれた”“シャッコイ風”といった秋田の方言も盛り込み、エンヤートット調の力強く景気のよい演歌になっている。漁師が宴会のカラオケで歌いたくなる1曲。

おばこ巡礼歌

藤あや子

作詞・作曲:吉 幾三

1996年5月シングル発売(ソニー)。藤あや子は秋田県・角館の生まれ。「おばこ巡礼歌」は青森出身の吉幾三が秋田出身の藤あや子のために書き下ろした楽曲。日本海に臨む男鹿半島が舞台。忘れられない人への思いをカモメや風、波に託す。会いたい気持ちを切なく歌う女歌。

角館哀歌

水田竜子

作詞:水木れいじ 作曲:水森英夫

2006年10月シングル発売(キング)。「角館哀歌」の歌詞には雪、桜、武家屋敷、酒といった角館らしい景色が名物が描かれている。この地を訪れたことのある聴き手に、趣深い街並みを鮮明に思い起こさせる楽曲になっている。

山形育ち

山口岩男

作詞・作曲:山口岩男

山口岩男は山形県天童市生まれ。シンガーソングライター、ロックミューシャンとしてデビューの後、ギタリスト、ウクレレ奏者としても活躍。近年では山形弁を前面に押し出したロックやラップなども手掛ける。「山形育ち」は演歌・歌謡曲調の楽曲で“しそ巻き”“笹巻き”“おみ漬け”“ぺそら漬け”といった名物が歌詞に登場し、山形弁のセリフも入る郷土愛に満ちた楽曲。

おしんの子守唄

金沢明子

作詞:橋田壽賀子 作曲:遠藤 実

1983年7月シングル発売(ビクター)。『おしん』は1983年4月~1984年3月にかけて放映されたNHK連続テレビ小説。その人気はすさまじく、日本のテレビドラマ史上最高の視聴率も記録した。「おしんの子守唄」はドラマの原作・脚本を手掛けた橋田壽賀子が作詞、遠藤実が作曲し、金沢明子が歌唱。山形で撮影された“おしん”幼少時のシーンを思い起こさせる楽曲。

坂田港

大泉逸郎

作詞:木下龍太郎 作曲:大泉逸郎

2008年4月シングル発売(テイチク)。大泉逸郎は山形県西村山郡河北町出身でさくらんぼ農家を営む二刀流。「坂田港」は、かつて広域に渡り、日本海の海岸線に沿って運航し、海運の大動脈であった北前船がテーマとなっている。坂田港の女と北前船に乗る海の男との恋模様。

石巻ブルース

チャダ

作詞:山口洋子 作曲:猪俣公章 編曲:あかのたちお

1977年6月シングル発売(ビクター)。インド人演歌歌手チャダが歌唱。チャダは1968年に来日、北島三郎の演歌に魅せられ、1975年8月「面影の人(c/wやもめのジョナサン)」でデビュー。「石巻ブルース」は4枚目のシングル。その後、実業家として成功を収めながら、日印の文化交流活動にも貢献。「石巻ブルース」では港町・石巻を舞台に港の女と海の男の恋模様が歌われる。

青葉城恋唄

さとう宗幸

作詞:星間船一 作曲:佐藤宗幸

1978年5月シングル発売(キング)。さとう宗幸のデビューシングルで、さとうは同年、第20回日本レコード大賞・新人賞受賞。もっとも有名なご当地ソングのひとつ。歌詞にば“広瀬川”“七夕祭り”もうたわれ、仙台=“杜の都”というイメージはこの曲によって全国的に広まった。さとう宗幸はこの曲のヒットで一気に知名度が高まり1981年TVドラマ「2年B組仙八先生」に主人公=伊達仙八郎役で出演。

七夕おどり

島倉千代子

作詞:丘灯至夫 作曲:遠藤 実

1962年7月シングル発売(コロムビア)。その1974年7月に、二葉あき子やコロムビア・ローズが歌った「ミス仙台」を島倉がカバーした際にもB面に収録された。お千代さんが日本一有名な七夕まつりを歌ったこの歌は長年愛され続け、現在でも七夕祭りの会場では彼女の声が響き、浴衣姿の踊り子さんたちにが踊っている。

はじめまして仙台

サザンクロス

作詞:新本創子 作曲:中川博之

オリジナルは“森雄二とサザンクロス”により1982年シングル発売(クラウン)(仙台市観光協会推薦盤)。彼ら1981年に「好きですサッポロ」をヒットさせ翌1982にも「前橋ブルース」と「はじめまして仙台」といった御当地ものをリリース。「はじめまして仙台」の歌詞では“奥羽山脈”“広瀬川”にふれながら、アットホームで人にやさしい街、人情味溢れる仙台がうたわれている。

白虎隊

藤山一郎

作詞:島田磬也 作曲:古賀政男

1937年発売(テイチク)。会津戦争で散った少年志士部隊、白虎隊を謳った。白虎隊は後年も数々の映画やテレビドラマ、小説・漫画で取り上げられ、日本人が赤穂浪士と並んで日本人が好きな題材のひとつ。

おんなの望郷歌

門倉有希

作詞:里村龍一 作曲:徳久広司

1997年8月シングル発売(ビクター)。2024年惜しまれつつ亡くなった門倉有希は福島県須賀川市の出身。哀しみを込めて歌う姿は多くの人々の心をつかんだ。「おんなの望郷歌」では失った恋人を故郷を思い、泣きながら新相馬節(相馬地方の民謡)を歌う、女心が描かれる。

じゃんがら恋唄

紅 晴美

作詞・作曲:紅 晴美

2009年7月シングル発売(ビクター)。紅晴美は福島県いわき市出身、演歌歌手ではめずらしいシンガー・ソング・ライターで作詞・作曲も手掛ける。“じゃんがら”とは福島県いわき市の郷土芸能で鉦、太鼓を打ち鳴らし、踊りながらながら家々を回る踊念仏。“じゃんがら念仏踊り”とも呼ばれる。幼少時の思い出と故郷と家族を懐かしむ気持ちが歌われる望郷歌。

僕は特急の機関手で(東北・北海道篇)

轟夕起子/波岡惣一郎/宇都美清/西村正美/生田恵子

作詞・作曲:三木鶏郎

1951年(ビクター)。「僕は特急の機関手で(東海道・九州篇)」とのカップリングで発売された。特急列車の機関手目線で上野から郡山、猪苗代、福島、仙台、松島、蔵王、青森、函館、小樽、札幌と進んでゆく昭和版鉄道唱歌的楽曲。三木鶏郎の才覚全開、軽妙で耳馴染みの良い楽曲は傑作と呼ぶにふさわしい。