プレイリスト連動 ご当地歌謡の世界 第一弾! 北海道篇
プレイリスト

プレイリスト連動 ご当地歌謡の世界 第一弾! 北海道篇

今後シリーズ化してご紹介予定の“ご当地歌謡の世界”。その第一弾は大自然に恵まれ、47都道府県のうちでも、もっとも絵になると言われ、国内外から多くの観光客が訪れる人気の北海道を特集。北海道をテーマにした数々のご当地歌謡の中から、とくに心に染み入るものを厳選。それぞれの曲について一言ずつ紹介してゆきます。

 

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北の国から~遥かなる大地より~

さだまさし

作曲:さだまさし

言わずと知れた、フジテレビ系、人気テレビドラマシリーズ「北の国から」(原作・脚本:倉本 聰)のテーマ曲。1981年~のテレビドラマ放送の後も、数々のスペシャルが放送され、現在での不動の人気を誇る。美しくも厳しい自然の中で、様々な人間模様が描かれ、数々の名シーンで流れるこのテーマに多くの人が涙した。歌詞が無いからこそ多くの人の共感を得られた名曲。

 

襟裳岬

森 進一

作詞:岡本おさみ 作曲:吉田拓郎 編曲:馬飼野俊一

1974年1月発売シングル(ビクター)。第16回日本レコード大賞、第5回日本歌謡大賞受賞。演歌歌手の森にとっては異色作ではあったが、吉田拓郎は進んで曲を書き、森もいたく気に入った。岡本おさみは地元の人が「なんもないんだぁ」と卑下する言葉をもとに詞を書いたが、北海道民のみならず日本人の心の歌として広く愛され襟裳岬には歌碑が立っている。

 

知床旅情

加藤登紀子

作詞・作曲:森繁久彌

詩・曲ともに森繁久彌によるが、以前から現地で歌われてきた「さらば羅臼よ」がもとになっているとも言われる。1960年、森繁が映画のロケで知床半島の羅臼町を訪れた際、ほぼ今の形の歌詞とメロディが作られた。1965年に森繁久彌自らの歌唱でレコード発売(日本コロムビア)。さらに1970年に加藤登紀子の歌唱でレコード発売(日本グラモフォン)されると森繁盤を上回るヒットを記録。その後は音楽の教科書にも掲載されるなど、誰もが口ずさむことのできる国民的抒情歌となっている。羅臼町にある「しおかぜ公園」に歌碑が立つ。

 

イヨマンテの夜

伊藤久男

作詞:菊田一夫 作曲:古関裕而

1950年1月レコード発売(日本コロムビア)。

今や北海道人気と共に、その世界から注目されるアイヌ文化。「イヨマンテの夜」ではその“熊送り”の祭礼が描かれている。勇壮に朗々と歌い上げる男らしい歌は、日本歌謡史上、他に例を見ないダイナミズムをもつ。そのため、ポップスや歌謡曲の歌手のみならず、声楽家も含めて、非常に多くの歌手がレパートリーに加える名曲。

 

ピリカピリカ

雪村いづみ

アイヌ民謡 編曲:小沢直与志

1958年4月20日レコード発売(ビクター)

アイヌのわらべうた。アイヌ民謡の中でも特に親しみやすいメロディーを持つこの歌を雪村いづみが歌いレコード発売、広く知られるようになった。“ピリカ”とは“美しい”の意。このレコードではアイヌ語歌詞での歌唱のあとに、標準語歌詞で歌われている。

 

網走番外地

高倉 健

作詞:矢野 亮 作曲:不詳

1965年公開東映映画「網走番外地」(監督:石井輝男 主演:高倉 健)の主題歌。1965年のテイチクから初発売されたヴァージョンの作詞はタカオ・カンペだが“原案”として「網走番外地」原作者の伊藤一の名がクレジットされている。今回のプレイリストではキングレコードから発売された矢野亮作詞のヴァージョンを紹介。

 

TAKIO‘S SOHRAN 2

伊藤多喜雄&TAKIO BAND

北海道民謡 作詞:伊藤多喜雄

全国の小学校、中学校、高校の運動会、体育祭等で踊られる、威勢の良いアレンジのソーラン節、通称“なんちゅうソーラン”。“なんちゅう”とは“稚内南中学校”のこと。港町の元気溢れる中学生たちが、伊藤多喜雄歌唱のソーラン節に合わせて踊ったのが、その始まり。今では国内のみならず、海外にも愛好者が多く、その輪は稚内から世界に拡がっている。

 

函館の女(ひと)

北島三郎

作詞:星野哲郎 作曲:島津伸男

1965年11月発売(クラウン)。

今の北海道知内町に生まれ、北海道函館西高等学校に通った北島三郎が歌唱し大

ヒット。替え歌が永谷園の“さけ茶づけ”のCM(北島本人出演)にも使用され、全国のお茶の間に浸透。国民的歌謡のひとつとなり、北島の人気も不動のものに。北島自身を国民的歌手にのし上げた1曲といってよいだろう。

 

函館山から

美空ひばり

作詞・作曲:小椋 佳

1986年4月発売(コロムビア)。

美空ひばり、50歳の誕生日の前月に発売された通算298枚目のシングル。女の一途な思いと函館山立待岬から眺める冬の情景が見事にシンクロ(女の思いと“立待”という岬の名のイメージが重なる)。切ない詩と哀しいメロディーが紡ぎ出す詩情は小椋佳の本領発揮といったところか。

 

石狩挽歌

北原ミレイ

作詞:なかにし礼 作曲:浜 圭介

1975年6月発売(ワーナー・パイオニア)

北原ミレイ8枚目のシングル。日本作詩大賞作品賞受賞。鰊漁で生計を立てる男と女の悲哀を描くこの歌は多くの人々の心をとらえ、後も非常に多くの歌手がカバーしている。なかにし礼自身、戦後、非常な苦労をともない、満州から両親の出身地“小樽”の地に引き揚げた。小樽市の西北、祝津岬にある旧青山別邸(いわゆる鰊御殿)には、石狩挽歌の記念石碑と なかにし礼直筆の歌碑がある。

 

石狩川悲歌(エレジー)

三橋美智也

作詞:髙橋掬太郎 作曲:江口浩司

1961年1月発売(キング)

上磯町(現在の北斗市)に生まれ函館市で育った生粋の道産子、三橋美智也が北海道を歌った曲のひとつ。歌詞の内容は石狩川のほとりを舞台に戻らぬ青春と初恋への思いを歌ったものですべての人の郷愁と共感を誘う。

 

恋の町札幌

石原裕次郎

作詞・作曲:浜口庫之助

1972年5月発売(テイチク)。

札幌オリンピックの開催された年に発売された石原裕次郎のシングル。「夜霧よ今夜もありがとう」と同じく、浜口庫之助の作詞・作曲。裕次郎と北海道の縁は深く、幼少期を小樽で過ごしたこともあり、かつて小樽市に石原裕次郎記念館があった(2017年閉館)。他にも「おれの小樽」「北の旅人」など北海道を歌った作品は多い。

 

時計台の鐘

三浦洸一

作詞・作曲:高階哲夫 編曲:小沢直与志

1958年5月発売(ビクター)

作詞・作曲の高階哲夫はヴァイオリニスト、作曲歌、指揮者(1896年3月5日 – 1945年4月17日)。高階は札幌での演奏会を機に「時計台の鐘」を作詞・作曲したとされる。清らかに伸びやかに北海道の情景を歌った名曲で、三浦は1958年にこの曲を歌いレコード発売。曲の雰囲気に合った、優しさ溢れる名唱といえよう。

 

好きですサッポロ

サザンクロス

作詞:星野哲郎 作曲:中川博之

1981年1月発売(クラウン)。

同年の札幌雪まつりテーマソングとして“森雄二とサザンクロス”が発表。押しも押されぬ彼らの代表曲となった。のちにサッカー・チーム、コンサドーレ札幌の応援歌としても歌われるなどカバー例も多く、多くの人に愛され、歌い継がれている。

 

札幌ブルース

青江三奈

作詞:川内康範 作曲:曽根幸明

1968年4月発売(ビクター)。

青江三奈の代名詞ともいえるブルース歌謡のひとつ。川内康範の詞と曽根幸明の曲が青江三奈特有のパンチの効いたハスキーボイスを存分に生かし、“すすきの”の夜、札幌の情景を魅力たっぷりに描き出している。スナック/キャバレー/ナイトクラブ御用達、永遠のド定番楽曲。

 

サヨナラ札幌

和田弘とマヒナスターズ

作詞:鳥井 実 作曲:さいゆたか

1966年1月発売(ビクター)

印象的なトランペットやスチールギターの音色とともに、マヒナならではのコーラスワークでムードたっぷりに歌い上げる札幌の恋物語。アカシアやエルム、時計台といった札幌の象徴的な景色が、聴く者の心を北の街へといざなう。ひんやりとした空気感までも感じさせてくれる秀曲。

 

札幌発最終便

フランク永井

作詞:宮川哲夫 作曲:豊田一雄

1958年12月発売(ビクター)

札幌に残してきた女性を“エルムに似たひと”と譬え、その思いをが綴られる。ご多聞にもれずアカシアや時計台も登場。そしてこの曲で最も印象的なのは千歳空港のロビーアナウンス、札幌発、東京行き最終便の搭乗案内が切なく響く。

 

白い街サッポロ

アン・ルイス

作詞:なかにし礼 作曲:川口 真

1971年2月発売(ビクター)

アン・ルイスのデビュー・シングルで、1972年に開催の決まっていた札幌オリンピックのキャンペーンソング「白い週末」のB面に収録された。作詞はもちろん、恩師なかにし礼。作曲の川口真が編曲も手掛ける。発売当時、アンは14歳。マイナーからメジャーに転調する曲調とたどたどしい日本語の発音とがあいまってティーンエイジャーの移ろいやすい心と初々しさを感じさせる。

 

小樽運河

都はるみ

1990年6月発売(コロムビア)

作詞:吉岡 治 作曲:弦 哲也

都はるみ95枚目のシングルにして、1984年の引退宣言からの復帰第一作。代名詞の“うなりこぶし”を封印し、明るく穏やかなポップス調の楽曲を柔らかく歌っている。詞・曲ともに小樽の街のレトロモダンな雰囲気をよく表現しており、どこか懐かしさも感じさせる。

 

小樽のひとよ

鶴岡雅義と東京ロマンチカ

作詞:池田充男 作曲:鶴岡雅義

1967年9月発売(テイチク)

彼らの出世作、この曲でNHK紅白歌合戦初出場を果たした。全篇に渡り、鶴岡雅義のレキントギターと三條正人の甘いボーカルの掛け合いが光り、ラテンムード溢れるコーラスワークがいろどりを添える。“塩谷の浜辺”や“古代文字(手宮洞窟のペトログリフ)”も歌詞に盛り込まれ観光PRにも貢献。

 

旭川恋の町

細川たかし

作詞・作曲:浜口庫之助

1984年4月発売(コロムビア)

北海道真狩村出身の細川たかし、22枚目のシングル。詞・曲ともに浜口庫之助。“ほめない俺がほめる町”“ほれない俺がほれた町”と旭川をほめちぎる“旭川讃歌”とも言える楽曲。観光名所、ランタンが灯る“旭橋”もしっかり紹介。

 

稚内から

村下孝蔵

作詞・作曲:村下孝蔵

1991年4月発売 11thアルバム『新日本紀行』に収録(ソニー)

日本最北の町、稚内が舞台。納沙布岬(ノサップ岬)と歌っているのは、野寒布岬(ノシャップ岬)の間違いだろうか。納沙布岬(ノサップ岬)は根室、稚内にあるのは野寒布岬(ノシャップ岬)。他にサロベツ原野も歌詞に登場。若かりし日の恋人との思い出を胸にひとり車を走らせる様子が歌われる。

 

宗谷岬

ダ・カーポ

作詞:吉田 弘 作曲:船村 徹

1976年4月発売(コロムビア)

ダ・カーポの歌唱がNHK“みんなのうた”でO.A.されヒット。オリジナルは黒木真理が歌い、1972年にリリースされている(同じくコロムビア)。厳しい冬を乗り越え、ハマナス咲き揺れる春を迎えた、日本最北端=宗谷岬の、のどかなが様子が描かれる。

 

釧路の夜

美川憲一

作詞・作曲:宇佐英雄

1968年1月発売(クラウン)

美川11作目のシングル。同年、同曲でNHK紅白歌合戦初出場を果たす。歌詞には釧路川、幣舞橋(ヌサマイ橋)が登場。1968年同名タイトルの映画「釧路の夜」(松竹 監督:井上梅次 主演:栗塚 旭)公開。美川も歌手役で出演。幣舞橋(ぬさまい橋)の袂には『釧路の夜』の歌碑も建てられた。

 

赤い燈台

小柳ルミ子

詞:岡本おさみ 曲:吉田拓郎

1974年6月発売(ワーナー)

小柳ルミ子12枚目のシングル「ひとり囃子」のB面に収録。同年1月に発売されたも森進一の「襟裳岬」と同じく岡本おさみ/吉田拓郎の作。釧路では釧路崎燈台をはじめ、南防波堤燈台、南外防波堤西燈台、北防波堤北燈台など赤い燈台が多くみられる。港町、知人町の様子も描かれ、旅情あふれる曲となっており、吉田拓郎自身も後にセルフカバーしている。

 

残雪根室本線

山内惠介

作詞:鈴木紀代 作曲:水森英夫

2011年2月発売(ビクター)

山内惠介11作目のシングル「白樺の誓い」のカップリングだが、ファンの間では非常に人気の高い曲で2017年発売の「ウラ・ベスト」や2018年発売の「ファンが選んだベストアルバム」にも収録されている。山内自身は福岡県の出身ではあるものの、北海道を舞台にした曲を多く歌っており、自ら北海道を“第2の故郷”と呼ぶ。他にも「網走3番線ホーム」「オホーツクの舟唄(新しれとこ旅情)」「想い出小樽」「釧路空港」「千島海道」「風蓮湖」「夕張川」「流氷鳴き」などをレパートリーとしている。

 

大空と大地の中で

松山千春

作詞・作曲:松山千春

1977年6月発売(キャニオン)

アルバム「君のために作った歌」に収録。いわずと知れた“足寄”が生んだスーパースター松山千春。初期の楽曲のなかでも大らかに伸びやかに歌われる、最も北海道らしい楽曲で、極めて人気の高いのがこの曲。2017年、新千歳空港発伊丹空港行きの便が遅延した際、松山が機内でこの曲を歌い、機内の乗客・乗員を和ませた。

 

赤い狩人

町田義人

作詞:三村順一/奈良橋陽子 作曲:タケカワユキヒデ 編曲:ミッキー吉野

1978年7月発売(コロムビア)

1978年公開映画「キタキツネ物語」(サンリオ/東宝東和 監督:蔵原惟繕)の主題歌。映画は厳しい自然の中で生きるキタキツネ家族を追った動物ドキュメンタリーで、オホーツク海沿岸を中心に北見市・釧路市・網走市・紋別市・小清水町でロケ。キタキツネ・ブームを起こした。

 

鉄道員

坂本美雨

作詞:奥田民生 作曲:坂本龍一

1999年5月発売(ワーナー)

1999年公開映画「鉄道員(ぽっぽや)」(原作:浅田次郎 監督:降旗康男 主演:高倉健)主題歌。原作は第16回日本冒険小説協会大賞特別賞。短編集は第117回直木賞受賞。北海道の炭鉱町が舞台で鉄道員(ぽっぽや)一筋の頑固な男が主人公。幼き娘を亡くし、妻を亡くした主人公に訪れた奇跡が描かれたファンタジーで、多くの人の涙を誘った。映画主題歌は奥田民生の詞、坂本龍一の曲という豪華布陣で作られ、坂本の娘坂本美雨が歌唱。静謐なイメージの楽曲、透明感のある歌声が映画のエンディングで流れ、この映画の余韻を印象づけている。

 

SL:D51夕張駅出発と南清水沢~沼の沢通過〈夕張線〉

最後は「鉄道員(ぽっぽや)」つながりで、かつて北海道を力強く駆け抜けたSLの音をご紹介。炭鉱町、夕張を出発する夕張線D51、汽笛、煙を吐きながら北海道の大地を力強く進む動輪の音には感動をおぼえる。

 

 

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