
目黒ひとみ 全シングルサブスク配信記念 スペシャル・インタビュー

小学6年生の時に伝説のオーディション番組『スター誕生』に合格。1975年12月20日「わたしのシュガーボーイ/ラブ・コール10:30」でデビューした目黒ひとみ。1977年には、黒木真由美、石江理世とGALを結成するも、2年弱の活動で解散。歌の世界から遠ざかるが、平成に入り本格的にソロ活動を再開、そして令和3年、実娘の栞里、タレントのkeiZiro、普段は花屋に勤務するKUROとGAL ReBorn結成。今年年末からデビュー50周年を迎えるタイミングで6/11(水)よりソロシングル全3枚AB面のサブスク配信がスタートした。 (文・インタビュー: keiZiro )
●幼少期〜夢への第一歩
ー念願のサブスク配信解禁、おめでとうございます!
目黒ひとみ(以下m):ありがとうございます!本当に嬉しいです。15歳の想い出がたくさん詰まっています。今聞いてもかっこいい楽曲ばかりなので、是非若い世代のみなさんにも聞いていただきたいですね。
ー最初に子供時代の事をお伺いします。ご出身はどちらですか?
m:東京の板橋区出身です。小さい頃から歌手になりたくて、近所の原っぱで木のみかん箱の上に乗ってよく歌っていました。兄と姉がいます。
ー一緒に歌ったりすることはなかったんですか?
m:父が看板屋さんで、二人は絵を描くことに興味があったようです。母は昔バスガイドをしていて、歌が大好きで。初めて買ってもらったレコードはベッツィ&クリスの「白い色は恋人の色」でした。
ー『スター誕生』に応募ハガキを出したのは何歳の時ですか?
m:小学4年生の時に応募しましたが、連絡はなく、その後何度も応募して、6年生の時にやっと予選出場の葉書が届いたんです。
ーオーディションのことを教えてください。
m:会場のよみうりホールには母と一緒に行きました。その時歌った曲は、麻丘めぐみさんの「悲しみよこんにちは」。明星の歌本を破いたものを横森良造さんにお渡しして歌いました。テレビ予選の合格者はその日のうちに発表されるんです。
ーとにかく若い!(笑)
m:チーフプロデューサーの池田文雄さんが母に「この子には天賦の才能がありますよ」とおっしゃってくださって(笑)。ただ「小学6年生でのテレビ予選は早すぎるので、中学校入学のタイミングで連絡します」となりました。私は「え〜!? すぐ出たいのに」と思いましたが、入学後すぐにお話が来ました。テレビ予選では、大好きだった朱里エイコさんの「恋の衝撃」を歌いました。
●スター誕生〜デビューまで
ー春のテレビ予選合格で、秋にはチャンピオン大会出場です。
m:ホリプロの音楽教室で練習が始まりました。一緒にレッスンをしたのが伊藤咲子さんです。大会前に歌う曲を決める際、森昌子さんの「夕顔の雨」を薦められ、この曲でデビューのきっかけを掴みました。
ー事務所は小澤音楽事務所系列のアルト企画、レコード会社はビクター音楽産業(現・ビクターエンタテインメント)に決まり、すぐデビュー!…と思いきや。早すぎるって言われちゃって(笑)。同じ大会に出場していたしのづかまゆみ(篠塚満由美)さん、伊藤咲子さんが翌年1974年にデビューされましたので焦りましたね。

ーそして1975年12月20日、「わたしのシュガーボーイ」でデビューとなります。
m:作曲をしてくださった中村泰士先生のお宅で、初めてラララ〜の弾き語りで聴かせていただいた時のこと、今でも忘れません。歌詞が届いたのはレコーディング当日でしたね。そう、ディレクター・飯田久彦さんのデビュー担当歌手は私だったんです(笑)。
●デビュー後の活動と「GAL」結成
ー1976年の同期は?
m:『スター誕生』出身ですと、新沼謙治さん、ピンクレディーさんです。スタ誕の新人コーナーでは、沖縄海洋博覧会からの放送で沖縄へ初めて行きました。2曲目が出る前、ウイルス性の感染症で1ヶ月休業。スタッフから「もうこの子はダメ」と言われて、母と一緒にすごく落ち込みましたね。

ー1976年には「アップルパイが焼けるまで」「スイートポテト42キロ」が発売されます。
m:「アップルパイ〜」はデビュー曲と同時期に録音されました。キャッチフレーズは「食べたくなるような女の子」でした(笑)。「スイートポテト42キロ」はカルビー「おさつクッキー」のCMソングで私も出演しましたが、藤谷美和子さん出演のポテトチップスのCMが大ヒットして、私のCMはほとんど流れなかったという哀しい思い出もあります(笑)。

ーそして1977年、「GAL」結成となります。
m:池田文雄さんに呼ばれてお話を聞かされた時、私は泣きました。「まだ一人で歌いたい」と。後日、石江理世さん、黒木真由美さんも一緒に集められ、スリーディグリーズのような大人のグループ目指し「GAL」がスタートしました。
ーシングル全てが名曲揃いですね
m:デビュー曲「薔薇とピストル」、2nd「マグネット・ジョーに気をつけろ」は今でも歌謡イベントで盛り上がります。作詞:阿久悠さん、作曲:川口真さん、編曲:馬飼野康二さん。振付:土井甫さん。3rd「誘惑されて」の録音の時、作曲担当の桑名正博さんとアン・ルイスさんがいらっしゃって、幸せオーラ満載でした。
●GAL解散後〜再始動へ
ーGAL解散後は?
m:方向性の違いから、自然に解散へ。同時に事務所も退所しましたが、地道に歌の活動は続けました。
ー結婚・出産を経て再び活動を再開されます。
m:静岡県・御殿場に嫁ぎ、しばらくは家事と育児に専念しました。娘に手が掛からなくなった頃、歌ってみたら声が出なくてショックでした。そんな時、地元の方の紹介で病院や高齢者施設で歌うようになり、徐々に東京での活動も増えていきました。
●現在とこれから
ーユニット「GAL ReBorn」誕生は?
m:keiZiroさんのラジオ番組がきっかけで金井夕子さんが歌手復帰され、新宿2丁目のイベントにゲストで呼んでいただき「マグネット・ジョーに気をつけろ」を3人で歌ったら、お客様の反応がすごくて。
ーゲイの方々に一番愛されてる曲ですよね(笑)
m:2012年、星屑スキャットさんが「マグネット・ジョー~」をカバーしてくれて、本当に嬉しかったです。
ー2019年、私が主催したイベント「新宿おとあそび」で、岩崎宏美さんをお迎えしましたが、金井さん、目黒さんのスタ誕出身3人の出演が話題となりました。
m:実はこの日「メンバーが違ってもGALの歌を歌い続けてもいいんでしょうか?」と宏美さんに聞いたんです。その時「いいんじゃない!」と背中を押してくださって。迷いがなくなりました(笑)
ーそして新たな「GAL ReBorn」が誕生ですね。
m:keiZiroさん、KUROちゃん、そして私の娘・栞里の4人組となり、2021年11月に新宿2丁目「九州男」で初ライブを行いました。
ー2025年4月には渋谷TAKE OFF 7で「FIRST FINALE」と題されたLIVEを開催しました。
m:娘・栞里が入籍し、活動休止前のライブでした。黒木真由美さんと47年ぶりに再共演して、まるであの頃のような自然なステージで嬉しかったです。
ー今年末より、50周年記念イヤー突入です。今後の予定は?
m:6月28日(土)、静岡・御殿場の桜の礼拝堂というチャペルで、ソロコンサートを開催します。皆さんに今の目黒ひとみの歌声を聴いていただきたいです。あとは、50周年記念曲を是非作りたいですね。
●目黒ひとみAnniversary Live
・日時:2025年6月28日(土)
開場:13:30~ 開演:14:00~
・場所:御殿場高原 時之栖 桜の礼拝堂(静岡県御殿場市神山719)
https://www.tokinosumika.com/access/
・チケット代:¥3,500 高校生以下¥1,500
※2名以上でご来場の場合 1人につき¥500割引き
※詳細は目黒ひとみのHPをご覧ください。
https://www.hitomi-meguro.com/schedule-1